松島にて～制作秘話（第1回目）
3回連載の第１回目です。
いらない雨女を私に下さい 万馬研太朗
サングラスをかけた邦画の大監督が、大勢の役者をスタンばらせてジリジリしながら天気を待つ。1日、２日、３日目も雨だ。★「運の悪い監督はいつまでも運が悪いものだ」と皆が思い始める。もう明日で最後だという夜に、ロケ地の地酒をしこたまかっくらった監督はナマハゲの形相で叫んだのだった。「雨女は誰だ～！雨女はいねが～～！」
「その雨女を私に下さい」そんな妄想をしながら私は松島海岸駅に降り立ちました。「松島にて」の歌い出しは『秋晴れの天気予報が見事にはずれた朝 小雨にけむる松島海岸桟橋あたり』なのに、雨が降る気配が無いのです。今日の天気予報では朝から雨のはずでしたが、まるで歌詞と反対の出来事ではありませんか。
さらに、★「運の悪い男はいつまでも運が悪いものだ」なんと！ツ兄さんから譲り受けたビデオカメラがバッテリーアウト。昨夜たっぷりと充電したのに～。あ～あ〇〇オリンピックの北島康介さんと同じく手ぶらで帰る訳にはいきません。
「松島にて」を、しなの君子さんに歌ってもらって、もう嬉しくて松島ロケに来たのに「雨が降らなくて」「ビデオ壊れた」じゃ帰れません！よし、ビデオカメラ買っちゃお。これからも動画撮るんだったら何時買うんですか？今でしょ！！
という事で仙台駅へリターン。駅の近くのヨドバシカメラさんへ。すぐに機種決定して充電してもらって、とにかく１時間ぐらい撮影できるようにお願いして11時半にアップ。その時お世話になったのが羽生さんならぬ針生さん。仙台にはカッコいい名前多いのかな？
よし行くぞ、と、店を出ようとしたら、雨だ～雨だ～雨が降っているぞー！しかもその出口ではビニール傘を売っているではありませんか。なんと商売上手。私は70センチもの大きな傘を買って、また松島行きの電車に飛び乗ったのです。
（２回目に続く）
プロフィール
万馬研太朗：福島県在住。多くの作品は福島や二本松を題材にして、演歌・歌謡曲・POPSの作詞・作曲を行っている。コミックソングも得意分野。演歌でも歌謡曲でもない、新しくもなく古くもない中間的なジャンルを提唱しており、中間歌謡曲と位置づけしている。すでに60作品以上YouTubeやニコニコ動画で配信されているが、代表作は「滝桜」「花筏～ハナイカダ」「黄昏のダンディ」「十三歳のサムライ」など。「イカニンジンの歌」は福島の地元アイドル「餃子っ娘ジュニア＆ひとくち餃子」に提供され、CMソングにも起用されている。また、自ら撮影した動画や写真は石井朗の名前で彩玉プロダクツへ提供している。
松島にて 歌詞
秋晴れの天気予報が 見事に外れた朝
小雨に煙る松島海岸 桟橋辺り
小高い駅から見下ろす 駐車場横切って
あなたは小走り 私に手を振りながら
傘は一つのほうが 恋人らしいわね
コンビニで買いましょう ちょっと大きいほうを
今日松島で 約束しましょうか
もう離れない もう離れない もう離れない
午後からは雨が上がって 波が眩しい海
遊覧船に乗れば 美しい島めぐり
カモメにエサやる私は 怖がってるのに
あなたは笑って見ている 楽しそうに
瑞巌寺に続く小径で 秋を感じたら
二人とも立ち止まり 見つめ合ってしまう
今日松島で 約束しましょうか
もう離さない もう離さない もう離さない
今日松島で 約束しましょうか
もう離さない もう離さない もう離さない
もう離さない もう離さない もう離さない
