「よい子に贈るよい子の歌集」しなの君子
波「今日は、しなの君子さんに、「よい子に贈るよい子の歌集」について聞いていきたいと思います。まずは、歌集の完成おめでとうございます。」
君子「ありがとうございます。」
波「13曲も作るのは大変だったでしょう。」
君子「作曲したのは今からもう30年も前です。平成元年にカセットテープに録音しました。私の子どもたちがまだ小学校や保育園に通っていた頃です。」
波「そんなに前なんですね。」
君子「一昨年に編曲の石井さんと知り合って、この音源を聞いてもらいました。貸した次の日にアニメ動画を作ってくれました。私が全曲こうして欲しいと言ったら、音源が古いので録り直そうと言われました。それから全部音源を作り直してYouTubeやニコニコ動画で公開することになりました。」
波「せっかく作った素晴らしい歌集ですが、世に出せる機会がこれまで無かったんですね。やっとチャンスが来た、って感じですか？」
君子「初めの１曲でも夢のようにうれしかったです。こうして13曲全部録り直して、動画を作ってもらうまで２年もかかりました。でも、私が演奏した録音よりもずっと音も良くて、動画もかわいらしくて気に入っています。」
波「自分のオリジナルと編曲も変わったのですか？」
君子「例えば『いたずらベイビー』がロックになったり、『ほたる』がオーケストラになったり、がらっと変わったものもあります。『お山の兵隊さん』や『幸せになりたければ』など、私の編曲に近いものもあります。音源ができる度に、最初はイメージと違うと思うんですが、だんだん耳に馴染んできました。」
波「レコーディングはどこで？」
君子「近くの公民館の音楽室を借りてICレコーダーで録音しました。スタジオは高くて借りられませんから。１曲録音するのに、何回も何回も歌わされるんです。少しでも悪いところがあると修正するのに使うそうです。完成した曲を聞くと、公民館で録ったとは思えない音になっていて驚きました。」
波「これまでに、一番苦労した思い出は何ですか？」
君子「曲を作ることは、わが子に対しての願いや思いを、浮かんできたままに表現したので苦労は感じませんでした。作ったというよりは、生まれてきたという感じですね。30年前に録音したのがウォークマンで多重録音していました。よくあんなに大変なことができたなぁと、今では思っています。その当時は、仕事を終えてから楽器店に通って、１時間いくらで楽器を借りて録音をしていました。一発録りなので、満足いく演奏もできずに帰り、真夜中、家族が寝静まってからヘッドホンをつけて編集していました。今考えれば、当時の録音のほうがたいへんだったですね。」
波「今回の収録よりも、30年前、最初に録音したほうが大変だったんですね。歳をとれば、時代に取り残されるのが常ですが、反対に時代の最先端のハードやソフトが、君子さんのやりたかったことに追いついたのではないかと感じます。では、最後に、歌集を聞いてくれる子どもたちにメッセージをお願いします。」
君子「この歌集を聞いてくださる子どものみなさんが、よい子のまま立派に成長し、永遠に平和な世界を作り上げてほしいと願っています。そして、親の子どもたちへ対する思いは、いつの時代になっても同じだと思っています。この歌集が末永く、いつの時代の親子でも歌い継がれてもらいたいと願っています。また、この作品集は、多くの人に支えられてできたもので、私一人では作り上げられませんでした。楽器店の方の協力や、そこまで車で送迎してくれた当時の友人、小学校や保育園の先生方、温かい目で見守ってくれた家族など、感謝に尽きません。そして、このようなチャンスをくださった石井さん。ありがとうございました。」
プロフィール
しなの君子（植松君子）：長野県在住。作詞・作曲をはじめ、しなの君子の名前で幅広くボランティアの音楽活動をしている。主な作品は、「佐久市立野沢小学校校歌」「聖愛保育園園歌」「佐久市立東保育園園歌」「よい子に贈るよい子の歌集」。「軽井沢物語」は代表作。未発表作品は「信濃路歌集」「友に贈る歌集」など。ツニーミュージックの歌姫として2016年より共に活動しているが、その歌唱力は、2005年NHKBSカラオケ塾オーディションにて、弦哲也より特別賞受賞のお墨付き。
波ノリオ：ツニーミュージックの公式ブロガー。ペンネームはもともと万馬研太朗の作曲ペンネームだったが、本人は曲や動画の作成はしていない。
「よい子に贈るよい子の歌集」全13曲
1. 保育園の歌
2. もこもこもぐら
3. 子どもはみんな良い子だよ
4. お山の兵隊さん
5. 幸せになりたければ
6. いいもんさ
7. 母のほほえみ
8. 赤ちゃん
9. いたずらベイビー
10. ひよこ
11. 良い子のあいうえお
12. おばあちゃん
13. ほたる
