ツニーミュージックのブログ

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僕が初めてそれを見たのは~万馬研太朗

「荒川線」制作秘話
 僕が初めてそれを見たのは、ん? 僕が初めて君を見たのは、という、パープルシャドウズの「小さなスナック」みたいな書き出しになってしまいました。そう言えば「滝桜」の書き出しは、「あなたに誘われて」ツ兄さんに松本伊代ちゃんの「センチメンタルジャーニー」と同じだねと突っ込まれました。私は「滝桜」も二人で小さな旅するんだから、いわゆるセンチメンタルジャーニーだよと答えました。
 初めてみたそれとは、「荒川線」の路面電車です。福島から新宿行き高速バスに乗って、王子駅の前の突き当たりを右に曲がった所だ。飛鳥山に沿って左カーブの坂道を登っていく時にバスの横に並んで来たのです。「うわ~~楽しいな!東京にこんな電車が走っているなんて。」「荒川線」という曲を水森かおりさんが歌っていて名前は知っていましたが、それを見たのは初めてでした。「飛鳥山」という地名のプレートにもドキドキして、いつかこの町に来てみたいと思ったもので。
 それから何年か後、二本松市のスナック「R」に、ギターの上手な「シンちゃん」の行方を尋ねた時の事。(そのエピソードは「シンちゃん」という曲、未発表)ママのSさんの出身地の話になって、東京から来たとは知っていたけれども、なんと!大塚。高校は王子の女子高で、荒川線で通学していたと言うのです。しかも、あの飛鳥山でデートしたって!なんてこったい、俺は飛鳥山というプレート見ただけでドキドキしていたのに、そこでデートしてたってか!酔いがまわれば、タイムマシンに乗って邪魔しに行きたい気分だね。
 これで曲名「荒川線」決定。曲名がポンと出てきてそこから作り始める曲。さてどんな構成にしましょうか。男と女が付き合い始めた頃って、相手がどんな町で生まれ育ったか興味ありますよね。そのあたりから攻めようか、「君の育った町が見てみたいな」~「私が生まれ育った町が見たいと言うのなら、新宿行きの高速バス王子駅で降りましょう」 
 そうだ、タイムマシンも使おう。過去の自分に会いに行く旅にしよう。水森さんの曲では、彼と面影橋(さすがロマンチックな地名)で別れたそうですが、飛鳥山で別れていただきましょう。そして彼女はその思い出の中に遊びに行ってしまう。男には、「ここで待ってて、必ず戻ってくるから」なんちゃってやつだ。終わりは「あなたのこの腕の中に帰ってきました」と、男心を安心させる事にしましょう。
 ツ兄さんとの撮影は楽しかったですね。1日乗り放題の切符で、大塚はもちろん、三ノ輪から面影橋まで行きましたね。オムライスが美味しかったカフェ・ド・ヴィラさんでは、ツ兄さんがカウンターに水を垂らして「私の涙のあと」を演出したのには驚きました。
 私はデジカメだけでの参戦でしたが、撮りましたよ!沢山。でもツ兄総監督は厳しい~。たった3枚か4枚しか使ってくれないんだもん。でも、いい経験でした。

映像編
波 「彩玉プロダクツのツ兄さんにも、荒川線の撮影について聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。荒川線って数少ない路面電車なんですね。」
ツ兄「いわゆるチンチン電車ですね。東京都北区王子駅前の高速バスのバス停から物語がはじまるのです。」
波 「数多く足を運ばれたとか。」
ツ兄「万馬さんと一緒にロケ出来て楽しかったですよ。タイムコードが桜の満開から散るところまでなので、あまり天候に恵まれず数回行きましたね。早くてまだ桜が少ししか咲いてなかったり、桜の花びらハラハラを撮りたかったのに雨模様だったり。でもなかなかいいカットも撮れました。」
波 「カフェ・ド・ヴィラのコーヒー屋さんにも?」
ツ兄「えぇ、何度も。飛鳥山にあるんですが、撮影をお願いしたら快く受けていただきましたので、行くたびごとに寄せてもらいました。出演までしていただきまして、撮影NGならこんなにいい作品にはならなかったでしょう。ありがとうございました。また、荒川線にも一日乗車券フリーパスで何回も乗りましたよ。」
波「カフェ・ド・ヴィラ (Cafe de VILLA)さんの情報について、Rettyのリンク先を貼っておきます。万馬さんによると、オムライスが美味しいとのことです。読者のみなさんもぜひ寄ってみて、感想を教えてください。私も行ってみたいな。」

retty.me

プロフィール
万馬研太朗福島県在住。多くの作品は福島や二本松を題材にして、演歌・歌謡曲・POPSの作詞・作曲を行っている。コミックソングも得意分野。演歌でも歌謡曲でもない、新しくもなく古くもない中間的なジャンルを提唱しており、中間歌謡曲と位置づけしている。すでに60作品以上YouTubeニコニコ動画で配信されているが、代表作は「滝桜」「花筏ハナイカダ」「黄昏のダンディ」「十三歳のサムライ」など。「イカニンジンの歌」は福島の地元アイドル「餃子っ娘ジュニア&ひとくち餃子」に提供され、CMソングにも起用されている。また、自ら撮影した動画や写真は石井朗の名前で彩玉プロダクツへ提供している。
彩玉プロダクツ(ツ兄):ツニーミュージックの動画制作を担当している。実写とカラオケ風の字幕にこだわりを持って制作している。「滝桜」「十三歳のサムライ」「黄昏のダンディ」などの美しい実写映像を手掛けるが、コラボ作品の「BLACK&WHITE」ではイラスト動画にも挑戦している。本名、石井常夫。ツニーミュージックの名付け親でもあり、メンバーから「ツ兄さん」と呼ばれている。

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荒川線 歌詞
私が生まれ育った 街が見たいと言うのなら
新宿行きの高速バス 王子駅で降りましょう
タイムマシンに乗って 過去をのぞいているようね
荒川線は今もまだ ガタゴト走っています
この踏切にあなたを待たせ 向こう側へ渡ったら
私の青春のかけら どこかに残ってるかしら
桜の季節 私の心 自由に遊ばせたなら
あなたのこの腕の中に 戻って来るから

飛鳥山で別れた 昔の彼の面影を
思い出したら甘酸っぱい 風が通り過ぎました
高校生の私が 未来を歩いているようね
荒川線を見送りましょう 見えなくなるまでずっと
あの喫茶店どこだったでしょう この辺にあったはずよ
私の涙の跡が どこかに残ってるかしら
桜が散ってセンチメンタル 夢の旅した後は
あなたのこの腕の中 帰って来ました
あなたのこの腕の中 帰って来ました