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「白い翼と葡萄色の瞳」制作秘話

波ノリオが編曲者の石井務と対談しました。

石井「万馬さんのこの歌詞、不思議ですよね。」
波 「何がですか?。」
石井「この世のものとは思えない、時空を超えているんですよ。」
波 「ほう。確かに、伝書鳩とか、通信管とか、今では使われていませんね。そして、メール。メルアド伝えるだけなら、電話でもよくないですか?」
石井「そうなんです。きっとここに出てくるキミは、この世にはいないんです。」
波 「死後の世界ですか?」
石井「そう考えると、この歌詞の全てのつじつまが合うんですよ。」
波 「なんとなく怖いなぁ。」
石井「日本では、死後の魂は近くにあって、私たちを見守ってくれているという考え方があります。欧米では、死者の魂はゴーストとか言って恐れられていますが、ここに出てくる魂は悪いことはしません。日本特有の価値観ですかね。」
波 「愛は時空を超える。」
石井「ここで言う僕は現代を生きている。伝書鳩はどこへでも気持ちを伝えて、帰ってくるとキミが言っている。朝日まぶしい空の上からしか見えないところに、君は住んでいる。きっと、この世にいないキミへ気持ちを伝えたかったんですね。」
波 「美しい歌詞です。」
石井「最後は、『僕にメールをくれますか』を繰り返して終わっています。さだまさしさんの『山は死にま~すか~♪』みたいな感じですね。」
波 「反語的と言いますか。」
石井「反語的、そうですね。死者は本来返事をくれません。しかし、必ず返事をくれると信じている思いを込めていますね。」
波 「『僕が恋してしまったのは白い翼と葡萄色の瞳』の解釈はどうですか?。」
石井「僕はもうこの世にいないキミを恋しているけど、この世に存在するのは白い鳩だけなので、鳩にキミの存在を見ているんでしょうね。」
波 「編曲はどんな感じにしますか?。」
石井「和楽器を使って過去を表現し、パットにリバーブをかけて死後の世界を表現したいと思います。かなり幻想的な響きになると思いますよ。」

(石井:石井務  波:波ノリオ)

 

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「白い翼と葡萄色の瞳」歌詞
キミの飼ってる 白い鳩
僕に一日 貸してください
籐で編んでる 放鳩籠を
自転車につけて 帰ります
山の向こうの 僕の家から
明日の朝に飛ばします
僕が恋してしまったのは
白い翼と葡萄色の瞳
通信管の手紙にて
僕のメルアド伝えます 

君の家まで 白い鳩
迷わず帰る 風を追い越し
どこからだって 帰ってくると
自信満々の君でした
朝日眩しい 空の上から
君の街まで 見えるかな
僕が魅せられてしまったのは
恐竜の足と純白のボディ
伝書鳩のメルアド見たら
僕にメールをくれますか
伝書鳩のメルアド見たら
僕にメールをくれますか